富山の海の幸の代表格と言えば、ご存じの方も多いかと思いますホタルイカ・シロエビ・ベニズワイガニ・そして今回ご紹介するブリ。
特に冬の時期にしか味わえない『寒ブリ』を今回はご紹介していきたいと思います。
ちなみにタイトルの『キトキト』は、暮らしのコーナーでも紹介しましたが「新鮮」や「採れたて」と言う富山の方言になります。
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それではキトキトな寒ブリのご紹介へいってみましょう!
『寒ブリ』と言えば氷見漁港、氷見漁港と言えば『ひみ寒ブリ』
富山県内の漁港数は大小合わせて16港あります。
その内、第3種漁港(利用範囲が全国的なもので、国内では101港が指定)に指定されているのは、県内では新湊(しんみなと)漁港と氷見(ひみ)漁港の2箇所のみです。
その富山で獲れる『ブリ』のメッカが氷見漁港になります。
氷見漁港では例年、独自の『ひみ寒ブリ』宣言というのを出しており、日本各地にブランドブリとして出荷されています。
そもそも、『寒ブリ』とは何?や普通のブリと何が違うの?と思う方も多いかと思いますので簡単に説明すると、ブリは例年、越冬や産卵のため大量の餌を食べ北海道近海から九州へ南下していきます。
そのまるまる身の肥えたブリが11月~年明け2月かけて水揚げされるため、旬の時期のブリとして『寒ブリ』と呼ばれます。
ですので、氷見漁港では独自に判定委員会を設置し、ブリの大きさや形、そして取れる量などを見極めて『氷見寒ブリ』宣言を出し、宣言後に出荷されるブリ一匹一匹に氷見漁港の販売証明書が付けられ、氷見で獲れる『寒ブリ』のブランドを徹底管理しています。
漁獲量ではお隣の石川県や山陰の島根県にはかないませんが、こうしたブランド管理などを徹底したおかげで日本全国に寒ブリ=富山県という知名度に繋がったのではないのでしょうか?
ちにみに、個人的になり多少の贔屓目になってしまいますが都内住んでいて、時々、島根や九州の『寒ブリ』をスーパーで買って食べる事がありますが、若干身の締まりぐわいが強く、氷見の『ひみ寒ブリ』のような柔らかさが少ないような気がし、やっぱり『寒ブリ』は富山が一番というのが個人の感想です(笑)(決して他県のブリをどうこう言うつもりはないです…)
ブリは魚界の出世頭!?
さて、ここで少し箸休めのネタを挟んでみたいと思います。
ブリが出世魚というのは多くの人が知っている?はずと思っていますが、では、ブリの出世名(名前)を全て言える人はどれくらいいるでしょうか…。
私自身は…、この記事を書くまでフクラギからブリに変わるとしか思っていませんでした(笑)
そこで、ブリがいかにして名前を変えていくか紹介したいと思います。
ただ、呼び名は地域ごとに異なるので富山県の呼名をメインとして、他県での呼名は地域で多い呼名を書いていきますね。
目安(大きさ) | 20cm | 40cm | 60cm | 80cm |
富山県での呼名 | ツバイソ | フクラギ | ガンド | ブリ |
他県での呼名 | ツバス | イナダ(ハマチ) | ワラサ | ブリ |
このようにブリはその大きさで名前を4回も変えるので正に出世魚にふさわしい魚なのです。
人間で言うと係長→課長→部長→取締役(社長)みたいなかんじですかね。
なので、富山県では一部地域にはなりますが、昔から奥さんの実家からブリを一本まるまるお歳暮として旦那さんに送る風習があります。
これは、ブリのように出世できるようにという願いが込められているようですが、早く出世しろというプレッシャーにもなりそうな…。
かく言う、私も妻の家からブリを一本もらったおかげ?で、本職では順調に出世が出来ましたが、今は崖っぷちでそろそろ窓際族かも…(笑)
ブリ料理の定番!! 人気料理Best3
それではここからは今が旬の『寒ブリ』を使った料理をランキングで紹介して行きます!
ちなみにこのランキングは…、完全に私個人のランキングになりますのでご了承を…(笑)
第3位 冬の定番!『ブリ大根』
冬と言えばお鍋かブリ大根かという位に食べる一品です。
ブリはもちろんながら、ブリの出汁を吸った味のしみた大根は格別ですね。
大根の面取りやブリの臭みけしなど多少の面倒はあるものの、時間を掛けて作る分、その味は他の魚の煮つけとは段違いです。
スーパー等でもブリの切り身が手軽に手に入るので家庭でも簡単に作れます。
第2位 豚より旨い『ブリしゃぶ』
お刺身でももちろん美味しいブリをしゃぶしゃぶに…、と最初は思ったものの、しゃぶしゃぶした後のブリの柔らかさは絶品。
しゃぶしゃぶする事によってブリの旨味が凝縮され、ポン酢との相性も抜群。
『寒ブリ』特有の身の引き締まりと脂乗りが相まって、決してボソボソな触感にならないので箸が止まらなくなります。
お刺身用のブリでも可能ですが、もしブッロク(固まり)で売っていればそちらを買っていただき、お刺身よりもほんの少し薄めにカットして下さい。
少しだけ薄くすることによって、ほんの少しの時間で全体にうま味が浸み込みます。
第1位 ブリ料理の大様『ブリのお刺身』
言わずもがな、やっぱりお刺身が一番上手い!
特に『寒ブリ』は脂の乗り方が本当に半端じゃない。
お醤油を付けたときに醤油皿にぶわっと広がる脂をみると、お肉と勘違いするレベルです。
弾力も程よくあり、『寒ブリ』のそのものの旨味と甘みを舌で味わう事ができる至極の一品です。
寒い時期が旬ですので、熱燗との相性も抜群です。
お好きな銘柄の日本酒と一緒に味わうのは如何でしょうか?
さて、今回の『寒ブリ』はいかがだったでしょうか?
ブリは養殖のおかげで一年中食べる事が出来ますが、脂の乗り方や身の引き締まり方は養殖ではでない『寒ブリ』特有のものがあります。
また、『ひみ寒ブリ』のようにブランドを徹底管理しているおかげで安心して美味しいブリを食べることが出来ます。
氷見漁港はもちろん、富山県内の漁港であれば『寒ブリ』はどの漁港でも水揚げされているので、冬の限られた時期にしか食べれない『寒ブリ』を是非、お試しいただければと思います。