産業

国内銅器生産のメッカ!!日本三大仏の街、高岡市!

近年の御朱印ブームもあり神社、お寺へ行く方も多くおられるかと思います。

お寺でよく目にするのが梵鐘(ぼんしょう)。

馴染みのある言葉でいうところの『釣鐘』です。

最近では近所からのクレームなどで聞くこともなくなってきた大晦日の風物詩でもある除夜の鐘の主役です。

 

梵鐘は銅から作られており、銅製品を作ることを鋳造(ちゅうぞう)と言います。

 

普段、そこまで目にすることは無い銅製品ですが、街の中に目をやると銅像などを筆頭に多くの銅製品を探すことができます。

 

今回はそんな銅製品の鋳造技術で発展した高岡市の銅器産業『高岡銅器』をご紹介していたいと思います。

 

 

高岡市の街の発展の基礎になった高岡銅器

高岡市は富山県の西部に位置し、東部の富山市、西部の高岡市と富山県第2の都市になります。

高岡銅器の歴史としては江戸時代初期までさかのぼり、加賀藩主の前田利長公(NHKの大河ドラマにもなった『利家とまつ』の前田利家公の息子であり加賀藩の2代藩主)が高岡の街を開いた際に町の産業としてスタートしたのが始まりとされています。

 

その当時の鋳物師は市民生活で日々使われる鍋や釜など主として製造し、そこから他方からの受注を受け茶器やお寺などで使われる梵鐘生産や銅像生産などに発展し、現代の美術工芸品へと技術継承が行われてきました。

 

国内における銅器の生産額としては高岡銅器が90%以上の生産額を誇り、国内シェア1位になっています。

 

現代では銅製品の美術工芸品はもちろんの事、錫で作った生活用品なども出されており、今まで以上に高岡銅器は身近な存在になっているように思います。

 

【参考URL】https://www.nousaku.co.jp/

 

日本三大仏が見守る街並み

高岡市の中心部にある浄土宗の寺院『大佛寺』にある高岡大仏(阿弥陀如来坐像)。

富山県民にとっては高岡と言えば『大仏』といったほど馴染み深いものになっており、県民が学生時代には必ず遠足などで訪れる場所と言っても過言ではないかもしれませんね。

 

高岡大仏は元は木造で作られており、1221年に源義勝(この人物の事を調べようとしましたが頼みの綱のWikipediaに情報が無く…、今度、高岡へ行ったら調べてきます!)が高岡市ある二上山に建立し、その後、加賀藩初代藩主の前田利家公によって市内中心部に移転されました。

その後、3回の火事に見舞われ消失するもその都度再建され、3度目の再建の際に火事に強い現在の銅製の大仏が建立されました。

 

通常であれば再建の度に木造で作るのでしょうが、鋳造技術のエキスパート揃いの高岡市だったからこそ、銅器による大仏建立が可能だったのでしょう。

まさにこの高岡大仏が現代の高岡銅器の象徴なのかもしれませんね。

 

さて、大仏と言えば、『鎌倉』『奈良』が群を抜いて有名どころですが、日本三大仏の3尊目はどの大仏か…、というところですが、諸説あるようで今回ご紹介した高岡大仏を筆頭に、岐阜県岐阜市にある『岐阜大仏』、東京都板橋区にある『東京大仏』の3尊のいずれもその時々によって日本三大仏と称しているようなので、明確な基準はないようですね。

日本三大仏としての明確な基準が無くてもご利益はどの大仏様もありがたいものですからね。

(というか東京に大仏があったという事を今回の記事を書いていて初めて知り、今度行ってみようかと…)

 

 

生活の中にある銅製品は?

さて、茶器・梵鐘・釜・鍋・大仏といった高岡銅器にまつわる物を少しご紹介してきましたが、実際、私たちの生活の身の回りにある銅製品は何だろう?という事を考えてみましょう。

 

尚、ここからは高岡銅器とは少し関係なくなりますのでご了承ください。

 

先ず一番身近であり誰もが持っているであろう銅製品筆頭が『硬貨』です。

硬貨だったら10円玉かと思われる方も多いかと思いますが、なんと1円玉以外の硬貨全てに銅が使用されています。

比率は硬貨それぞれ違うものの、500円・100円・50円・10円・5円の各硬貨には50%以上の銅が含まれているなんてビックリですね。

理由としては銅には殺菌効果がある為、多くの人が手にするお金にはベストな素材のようです。

 

次に誰もが見たことのある物が電線です。

実際我々が見ている電線は絶縁体でおおわれているので中を見ることは出来ませんが中身は銅線がびっしりと入っています。

銅は電気抵抗も少なく伝導性に優れている為、電線にはぴったりなんですね。

同じ原理で普段使っているスマートホンやパソコンなのどの家電製品の中にある基盤にも多くの銅が使われています。

 

普段使うものはもちろん、なかなか目にすることのない部分にも使われている銅製品。

何気ないところで使われている銅製品を探してみては如何でしょうか?

 

 

さて、高岡銅器は如何だったでしょうか?

街の繁栄と共に発展してきた高岡銅器を手にしてみたいや製造工程を見てみたいという方は是非、高岡市の金屋町へお越しください。

風情ある町中に昔からの銅器製造・加工をしているお店や高岡銅器の歴史がわかる場所が多数あります。

中には体験できるところなどもあるようですので、是非一度、足をはこんでみては如何でしょうか?

 

【参考URL】https://www.takaoka.or.jp/viewpoint/archives/863

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