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黒部からは行けない!?高さ日本一の黒部ダム!

富山の知名度でBEST5に入ってくる『黒部ダム』。(運営者の勝手な想像BESTです…)

昭和は石原裕次郎さん、平成は香取慎吾さんが出演された『黒部の太陽』で舞台となった場所という事でご存じの方も多いかと思います。

また、いつぞやのNHK紅白歌合戦では中島みゆきさんが黒部ダムの坑道から中継で熱唱していた場所でもあります。

 

富山県東部に位置する黒部市を流れる一級河川、黒部川の上流にあるダムのため黒部市から黒部ダムへ行けると思っておられる方も多いみたいです…。

何を隠そう、サイト運営者の私の故郷がこの黒部市なのですが、出身地を聞かれた際に『富山県の黒部市です』と言うと大抵の方は『あ、黒部ダムの所』となるのですが、はっきり申し上げて黒部市から黒部ダムへは行けません!!

(正確には工事用の乗り物や専用ルートで行けますが観光用ではないので省きます)

 

ただ、そう思っている方が多いようで過去には観光シーズンになると北陸自動車道の黒部インター出口には『ここから黒部ダムへは行けません』という看板が出ていたほどです…。(今もシーズンに出ているのかは不明…)

 

そんな、『黒部ダム』を今回はご紹介出来ればと思います。

 

 

山奥に造られた黒部ダム

富山県のシンボルでもある北アルプス立山に造られた黒部ダム。

住所としては富山県中新川郡立山町芦峅寺6という事で正式には立山町にあるダムとなります。

ただ、先に述べたように黒部市に流れる黒部川(黒部川水系)に造られたため、黒部ダムとなったようです。

 

立山は3000m級の山々がある山岳地帯ですからダムを造るのには相当の困難や犠牲があって完成されたダムのようです。

敗戦後の深刻な関西地方の電力不足を解消するために関西電力が昭和31年から7年の歳月をかけ500億円以上をかけて建造しました。

工事に携わった人数は延べ1,000万人以上で残念ながら170名近い殉職者も出たようです。

そういった苦難を乗り越えて私たちが目にしている壮大な黒部ダムは建造されたのです。

 

ちなみに、お気づきの方も多いかと思いますが、黒部ダムがあるのは富山県で電力会社の区分では北陸電力の管轄地域です。

しかし、黒部ダムを造りその電力を使っているのは直線距離で280キロ以上も離れた関西電力の管轄地域なのです。(関西電力本社を起点に算出)

黒部川の水量が多く水力発電には適していた立地という事もあり、関西電力は遠く離れた富山の地に電力不足を補う活路を見出したようですね。

 

 

堤高は日本一を誇る黒部ダム!

黒部ダムはアーチ式のコンクリートダムで、貯水量2億立方mもあり幅492m、高さ(堤高)186mで日本一高いダムになるわけです。

山と山の間をコンクリートでせき止め人造湖『黒部湖』を形成しダムとしたわけですから、その高さはもちろんのこと貯水量2億立方mも圧巻の貯水量です。(2億立方mは東京ドーム160杯分の量のようです。 Wikipediaさん、ありがとう(笑))

北アルプス立山はご存じのとおり豪雪地帯ですからその雪解け水のおかげでこの大きなダムが1年を通して豊富な水源を作り出し成り立つわけですね。

 

これほど大きな人工物ですから立山登山(雄山)に登頂すると山頂から覗き込むことも可能です。

私も学生時代に学校の行事で死にそうになりながら立山登山をした際に見たのを記憶しています。

 

ちなみに日本一のダムとネットで検索すると、各部門で色々なダムが出てきます。

黒部ダムが誇る高さはもちろん、貯水量・美しさ・古さ・標高など色々な分野で日本一の称号を持つダムが多数ありますので見てみるのも一見ですよ。

 

 

黒部ダムへの行き方は!?

さて、では実際どうのようにして黒部ダムへ行けばいいの?ということになるのですが、先のご案内のとおり、黒部市からは行くことは出来ませんし、自家用車で行くことも出来ません。

黒部ダムへ一般の方が気軽に行く方法は2種類になります。

ズバリ、富山ルートと長野ルートです。

黒部ダムが富山県と長野県の県境にある為、この2方向から行くことが可能です。

 

長野県側のルートでは長野県大町市にある扇沢駅から電気バスに乗車して黒部ダムへは訳16分ほどで到着します。(扇沢駅には車を止めておける駐車場があります。)

自動車で扇沢駅までは長野自動車道『安曇野IC』から約1時間、上信越自動車道『長野IC』から約1時間30分程で到着します。

 

次に富山県側からのルートは『立山駅』からケーブルカー等を乗り継いで約3時間30分程で黒部ダムに到着します。(立山駅にも車を止めておける駐車場があります。)

自動車での立山駅までは北陸自動車道『立山IC』から約40分程で到着します。

 

あまり時間に余裕のない方は長野ルートをお勧めしますが、しっかり旅行気分を味わいたい・自然、景色を見たい・色々な乗り物に乗りたいという方には是非、富山県側からのルートをお勧めいたします。

 

時間的にも料金的にも(立山駅から黒部ダムの往復は大人で11,000円程)結構かかりますが、ただ『黒部ダム』見て終わりではなく3,000m級の山々を見ながらの景色は圧巻です。

ケーブルカー→高原バス→トロリーバス→ロープウェイ→ケーブルカーと乗り物好きにはたまらないコースとなっています。

また、途中で乗るトロリーバスは日本ではここだけでしか乗ることが出来ない貴重な乗り物です。(長野側のトロリーバスは2019年から電気バスに変更の為)

 

尚、今年(2020年)の全線開通期間は4月15日~11月30日までの期間となります。

天候状況等により変わることもありますので詳しくは下記サイトをご覧下さい。

 

 

 

戦後日本の復興の為に多くの苦難や犠牲を乗り越えて造られた黒部ダム。

現代に至っても関西圏の大きな発電施設としての役割を果たす一方で、多くの方に壮大な姿を見せてくれている貴重な観光資源でもあります。

まさに人間が造った構造物と自然の融合と言っても過言ではない『黒部ダム』を是非一度ご自身の目でご覧下さい。

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